Symbol三団体とは?を徹底解説【流し読みで誰でも理解可能】

  • Twitterなどで『Symbol三団体』って目にするけど、どういう団体なんだろう?
  • Symbolシンジケート不死鳥財団リンガフランカってどんな役割なの?
  • Symbol・XYM初心者でも簡単に理解できるよう分かりやすく解説して欲しい

最近、Twiterのアカウントが作成された『Symbol三団体』。
それぞれどんな役割があって、Symbol・XYMにどんな影響を与えるのか?と、興味津々の方も多いでしょう。

とは言え、Symbol・XYMに触れ始めてばかりの方にとっては、意味が良く分からないかもしれません。なぜなら、情報が少ないし見つけにくいからです。

実は過去の私も『よく分からんなぁー』と感じてました。プロフィールは以下のとおりです。

この記事では『①Symbolシンジケート ②不死鳥財団 ③リンガフランカ』が、どんなものなのか?を解説。
専門用語やSymbol固有の考え方には、全てかみくだいた補足を入れました。

なので、脳ミソにあまり負担をかけずに読み進めつつ、『Symbol三団体』への疑問をサクッと解消できます。

もちろん、流し読みでOK!充分に理解いただけるはずです。
ぜひ、最後までご覧くださいませ。
(※記事で使用している『仮想通貨』とは【暗号資産】のことを指します)

Symbol三団体とは?【ざっくり役割付】

Symbol三団体とは?

最初にSymbol三団体と、それぞれのざっくりした役割から紹介します。
下記のとおりです。

  • Symbolシンジケート:技術研究開発
  • 不死鳥財団:保有資金の管理・活用
  • リンガフランカ:取引所・資金調達

ひとつずつ丁寧に見ていきましょう。

Symbolシンジケート【技術の研究開発】

Symbolシンジケート【技術の研究開発】

正式名称『The Symbol Syndicate』。
まずは、Twitterアカウント(@SymbolSyndicate)のプロフィールを翻訳してみましょう。次のとおり。

私たちは、#NEM & #Symbol プロトコルの研究開発に焦点を当てた非営利団体、The Symbol Syndicateを支える海賊🏴☠️です。

うーん。あっさりし過ぎですね。
Symbol・XYMに触れ始めてばかりの方には意味不明だと思います。

それに、前提知識の無い方の場合、いくつかの疑問が出てくるはずです。

  • ①そもそもシンジゲートって何よ?
  • ②NEM&Symbolプロトコルとは?
  • ③てか、なんで海賊が出てくるの?
  • ④どこのどんな非営利団体なの?

上記を深堀りしていきます。

①そもそもシンジゲートって何よ?

定義は以下のとおりです。

シンジゲートとは?
共通の使命を達成するために参加して協力する人々や組織のグループ。

なるほど!NEM&Symbolプロトコルの研究開発(での成果)を使命とし、達成するためのグループって意味ですね。

とは言え、『NEM&Symbolプロトコルとは何ぞや?』かもです。

もう一歩掘り下げてみましょう。

②NEM&Symbolプロトコルとは?

結論、次のように考えればOKです。

NEM&Symbolプロトコルとは?
プロトコルとは元々『通信の行う際の規格(約束事)』を表す言葉。
この場合、NEMのNIS1ブロックチェーン・Symbolブロックチェーン・その関連技術と考えればOK。

そもそも、NIS1ブロックチェーンやSymbolブロックチェーンが何かをイマイチ理解できてない!と言う方。以下の記事の前半をご参照ください。
【知識ゼロでOK】Symbol・XYMの将来性をかみ砕いて解説【良好】

そして上記の研究開発を、自らを海賊と称する開発者たちが行うというわけです。

③てか、なんで海賊が出てくるの?

スペースパイレーツコード(宇宙海賊の指針)

Symbolに海賊が出てくる理由。それはコア開発者たちが示した『スペースパイレーツコード(宇宙海賊の指針)』というガイドラインが存在するためです。

スペースパイレーツコード
https://docs.symbol.dev/handbook/ja/vision.html#id13

上記は、昔の海賊たちが非中央集権で調和を保っていた文化をリスペクトしつつ、示されたガイドラインとなっています。読んだことが無い方は、一読しておくのが吉。

そして、繰り返しになりますが、開発者たちは自分たちを宇宙海賊・海賊チームと称しています。

④どこのどんな非営利団体なの?※後日修正あり

まず場所についてですが、本記事の投稿後にオフィシャルより下記のようなコメントをいただくことができました。

上記を翻訳すると、次のとおり。

実はワシントン州のカークランドに本社があるんです!👋 マイクロソフトやグーグルのすぐ隣です。

アメリカのワシントン州

ですので、場所はアメリカ・ワシントン州の都市:カークランドとのこと。

次に、どんな非営利団体なのかという点。

こちらはアメリカで非課税となる団体『501c3団体』になることを目指している状況です。

501c3団体とは?
アメリカの内国歳入法という法律:第501条C項3号の規定によって、課税を免除される非営利団体。

【2022/8追記】501c3団体になるのは結構ハードルが高い

次のツイートは、AMA(Ask Me Anything=何でも聞いてね)の回答になります。

英語だと萎えるので、翻訳すると次のとおり。

米国で非営利団体を成功させることは、特に現在の状況では、最も困難な事業の一つです。

NASDAQに会社を上場させるより難しいと思います!

上記のとおり。けっこう難しいことに挑戦していることが分かりますね。

Symbolシンジケートとは?【まとめ】

というわけで、4つの疑問を解消したところでまとめます。

Symbolシンジケート(The Symbol Syndicate)とは?

NEMのNIS1ブロックチェーン・Symbolブロックチェーン・その関連技術の研究開発を使命としたメンバーが参加するアメリカ・ワシントン州の非営利グループ。

開発メンバーは自分たちを宇宙海賊と称している。また、その非営利グループは、アメリカ法律で課税されない団体『501c3団体』になろうとしている。

上記が結論です。

これで『Symbolのことを今日から調べ始めました』という方にも、ご理解いただけたと思います。
続いて、不死鳥財団を見ていきましょう。

不死鳥財団【保有資金の管理・活用】

不死鳥財団【保有資金の管理と活用】

正式名称は『Fushichou Foundation』。
こちらもまずは、Twitterアカウント(@TheFushichou)のプロフィールを翻訳してみます。

#NEM & #Symbolエコシステムの開発と成長を専門とする非営利団体。

むーん。これまた、あっさりし過ぎで、前提知識の無い方にはイマイチ分からず萎えそうですね。

そこで、不死鳥財団の『財団』という言葉をおさえるところからスタートしてみましょう。

財団とは?
特定の目的を持っている財産のあつまりのこと
財団法人とは?
その財産のあつまりに対し法人格を与えたもの

よし!上記から、不死鳥財団を理解するために掘り下げるべき3つの項目が見えてきましたね。

  • ①特定の目的とは何なのか?
  • ②どんな財産のあつまりか?
  • ③財団法人の場所はドコか?

それぞれ、一緒に深堀りしていきましょう。

不死鳥財団の『①特定の目的とは何なのか?』

この特定の目的が『NEM&Symbolエコシステムの開発と成長』なわけですね。

エコシステムとは?

元々は生物学の言葉。仮想通貨の世界では、特定のブロックチェーンが創り出した特定のトークン(仮想通貨)によって成り立つ経済圏を表す言葉。

今回の場合、シンプルにNEMのNIS1ブロックチェーン&Symbolブロックチェーンが生み出す経済圏と考えればOK。

上記のとおり。

とは言え、『いや、しおかわさん。開発と成長だけじゃ抽象的すぎて活動内容が分からないよ』という声が聞こえてきそうです。

この点、Symbol&NEMの超プロ『トレストさん(@TrendStream)』が、取材記事で次のように述べられています。

イーサリアム財団などと同じような形で運用することが目的とされています

【解説】仮想通貨 シンボル(XYM)のキプロス実装と、ネム(XEM)のハーロックとは?何が変わる?(Symbol&NEMコミュニティ トレスト氏)

ホント、困ったときのトレストさんです。
SymbolやNEMに興味のある人にとって、マジでフォロー必須の方となりますね。

さっそく、イーサリアム財団の活動がどんな感じなのか?を見てみましょう。

イーサリアム財団の主な活動とは?

  • 活動①:助成金やインセンティブ付与
  • 活動②:開発者向けカンファレンス
  • 活動③:必要時にテストネット提供

主な活動は上記3つ。

まずイーサリアム財団は、さまざまな助成金やインセンティブを付与しています。
例えば日本の開発プロジェクト5つに助成金を支給するなど。

また、カンファレンス(研究発表会的なイベント)は、『Devconnect(デブコネクト)』という名前のイベントなどですね。
2022/4にアムステルダムで開催されました。

そして、大幅アップグレードのため、開発段階ごとに必要なテストネットを提供している感じです。

テストネットとは?
現在動いているブロックチェーンに影響を及ぼさずに、新しく追加する機能などに問題が無いか確認できるテスト専用環境のこと。

上記3つに似た活動を、不死鳥財団も計画していくものと考えられます。

不死鳥財団の財産は『②どんな財産のあつまりか?』

結論から言うと、Symbolコア開発者3名と米Valkyrie社の4名が管理する、800億円相当の資金(XYMやXEM)です。

Symbolコア開発者3名とは、
ジャガーさん(@Jaguar0625
ハチェットさん(@0x6861746366574
ギムレさん(@NCOSIGIMCITYNRE

米Valkyrie(ヴァルキリー)社は、NEM&Symbolと提携している、暗号資産の運用・管理企業です。

Valkyrie社の詳細は、以下の記事で入念に解説しましたので、ご参照ください。
米Valkyrie社を深堀りしてまとめた【完全初心者でも分かる】

【2022/8追記】Symbol&NEMとの資産運用契約が正式に終了

Valkyrie社とSymbol&NEMとの資産運用契約は2022年8月に終了しました。詳細は上記の記事の後半に追記しています。

不死鳥財団の『③財団法人の場所はドコか?』

スイス

結論、スイスに設立しようとされています。

なんで、スイスに設立予定なの?

考えられる主な理由は3つですね。

  • ①国がブロックチェーン産業推進
  • ②IT・金融の優秀な人材が集まる
  • ③税制が有利な上に中立国で安全

例えば、イーサリアム財団・カルダノ財団・テゾス財団などもスイスです。

なので、Symbolの不死鳥財団も、上記の活用を狙ったものと思います。

不死鳥財団とは?【まとめ】

こんな感じで、詳細をいろいろ掘り下げたところで、まとめてみましょう。

※2022/8に米Valkyrie社との資産運用契約が正式に終了したため、一部取り消し線を入れています。

不死鳥財団(Fushichou Foundation)とは?

NEMのNIS1ブロックチェーン・Symbolブロックチェーンが生み出す経済圏の開発と成長を特定の目的として、コア開発者3名と米Valkyrie社の4名が管理する約800億円の資金を、主に以下の3点から運用するためにスイスに設立しようとしてる財団法人

①助成金やインセンティブの付与 ②開発者向けカンファレンス開催 ③必要時にテストネット提供

ちょっと一文が長くてダラダラしてしまいましたが、上記のとおりになると思います。

【2022/8追記】スイスでの不死鳥財団設立の進捗

以下はコア開発者ハチェットさんによるAMA(Ask Me Anything=何でも聞いてね)の回答ツイートです。

翻訳すると下記のとおり。

うーん、最初の質問がよくわからないんだけど。
@TheFushichou
強力な理事会と監査委員会の構築を含め、スイスの非営利団体を適切に設立するためには、まだ多くの作業が残っています。

スイスで適切な財団を設立するのは、なかなか大変なようです。

リンガフランカ【取引所・資金調達手法】

リンガフランカ【取引所・資金調達】

正式名称『Lingua Franca』です。
Twitterアカウント(@aBermudaCompany)プロフィールを翻訳すると以下のとおり。

私たちは #NEM & #Symbol のエコシステムにおける才能と製品に資金を提供しています。現在、どこでもドア™ 🚪を構築中。

ど、どこでもドア™??何?ドラえもんの話??
ぶっちゃけ、ギャグと言うか比喩表現にふってる感じなので、イマイチ的を得ず良く分からないですね。

そこで、別のソースをあたってみることにします。

コア開発者ギムレさんのツイートです。記事のURLが紹介されています。
※『HackMD』という日本の『note』みたいなサービスのURL

ハチェットさんの記事に『リンガフランカ』の説明がある

HackMD
ハチェットさんによる『リンガフランカ』の説明

まだの方は、上記リンクから原文を一読されることをオススメします。
とは言うものの、英語はダルイかもなので、抜粋して翻訳すると以下です。

私たちは、暗号通貨取引所、マーケットメーカー、流動性プロバイダーとの連携に重点を置いた、バミューダを拠点とする事業体を立ち上げる予定です。この事業体は、クアドラティックファンディング プラットフォームとマッチングプールの運用にも責任を負います。

金融や仮想通貨に慣れてない方だと、萎えそうな用語が多いですね。
そこで、下記の4点を補足していきます。

  • ①マーケットメーカーとは何なのか?
  • ②流動性プロバイダーって何なのか?
  • ③クアドラティックファンディング?
  • ④マッチングプールってどんなもの?

『いやいや、こんなの知ってるよ』という方は、お手数ですがスルーしてください。

①マーケットメーカーとは何なのか?

結論から言うと、機関投資家、つまり大手金融会社を表しています。

元々は、『市場から、ある銘柄を買う人・企業』のことです。

仮想通貨に限らず、株や為替などFXの世界でも使われます。

②流動性プロバイダーって何なのか?

取引所などで取引される仮想通貨が足りなくならないように、通貨を提供する人や企業のこと。

取引所に資金を提供する大手金融会社を指す場合が多いです。

こちらも、株や為替などFXの世界でも使われる言葉となります。

上記から、リンガフランカは、取引所や大手金融会社との連携に力を入れる予定ということが分かりますね。

なお、現在Symbol・XYMが上場されている取引所については、こちらの記事で一覧表にまとめました。

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③クアドラティック ファンディング?

その意味は次のとおり。

クアドラティック ファンディングとは?
個人寄付による資金および公式の資金を、投票(寄付した人数)によってプロジェクトに分配される、民主的な資金調達手法のこと。

例えば、個人が、どのプロジェクトに寄付したいかを選んで、『寄付する』ボタンをポチる。
そしてポチられた回数が多いプロジェクトが資金を多く調達できるという感じです。

有名なプラットフォーム、『Gitcoin Grants』を見てみると雰囲気がつかめる思います。

Gitcoin Grants
https://gitcoin.co/grants/

リンガフランカ【取引所・資金調達】

寄付者の人数が多かったプロジェクト(寄付額の多さではない)に、公式の資金をたくさん分配するところがキモですね。
これが民主的と呼ばれる理由です。

④マッチングプールってどんなもの?

上記のために、イベントなどで調達した公式の資金プールのことです。

このクアドラティック ファンディングは、イーサリアムやアバランチで活用されている状況でして。

オープンソース(プログラムを無償公開)の開発プロジェクトにとって、画期的な資金調達方法となっています。

そして、リンガフランカは、この民主的な資金調達『クアドラティック ファンディング』の提供を予定しているわけです。

【補足】リンガフランカが設立されたバミューダ島

リンガフランカが設立されたバミューダ島

場所は地図のとおり。カリブ海最北の小さな島です。

実は、わりとテクノロジーや金融サービスに対して革新的だったりします。

例えば、世界初の仮想通貨ETFを上場させたり、日用品の決済にデジタルトークンを使用する試験運用をするなど。

上記が、バミューダ島が選ばれた理由だと思います。

リンガフランカとは?【まとめ】

というわけで、まとめましょう。

リンガフランカ(Lingua Franca)とは?

仮想通貨取引所や大手金融会社との連携および、民主的な資金調達手段である『クアドラティック ファンディング』提供のため、バミューダ島に設立された事業体。

定義は上記のような感じになります。

【2022/8追記】リンガフランカの進捗

コア開発者ハチェットさんによるAMA(Ask Me Anything=何でも聞いてね)の回答ツイートを紹介します。次のとおり。

翻訳すると以下となります。

リンガフランカは設立初期ですが、順調に進んでいます。私は最近(休暇の前に)バミューダにいました。 Discord にステータスの更新があります。

シンボルシンジケートは健在で、活動の初期段階にあります。

たしかにDiscordに記載がありました。リンガフランカ、良い感じみたいです。
あとシンボルシンジケートも健在とのこと。

【まとめ】Symbolの将来性は良好と思う

Symbolの将来性は良好

以上、今回はSymbol三団体を解説しました。

  • Symbolシンジケート
    技術の研究開発が使命の非営利団体
  • 不死鳥財団
    経済圏の成長を目的とした財団法人※設立予定段階
  • リンガフランカ
    取引所等との連携、クアドラティック ファンディングの提供を行う事業体

上記の三団体は、Symbol・NEMにとって、かなり明るい兆しだと思います。
理由は以下です。

昔、Symbol・NEMは中央集権っぽい団体で管理されていたが上手く機能していなかった。一方、三団体は役割も明確だし、コミュニティ主導で物事を進めていくと明示している。

とは言え、まだ設立予定段階の組織もありますし、実際に計画どおり進められるかが大切ですね。

ただ、Symbolには元々『技術や機能のスゴさ』や『愛され具合のスゴさ』という強みもあります。

ゆえに私は、Symbol・XYMの将来性は良好と思うので、これからも推して生きていきます。

貴重なお時間を頂戴して、最後までご覧いただき本当にありがとうございました。
この記事が、Symbol三団体の理解への一助となれば幸いです。
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