【失敗を劇的に回避】読むだけで身に付く投資の心理法則9選【実証済】

  • 2021年6月10日
  • 2022年11月12日
  • 心理
  • 投資において失敗を避ける方法を知りたい
  • 投資でなかなか儲けられずに、悩んでいる
  • 頭で分かってても、なぜか自爆してしまう

実は、投資の成績は、手法よりも心理法則に大きく左右されます。心理は自爆を引き起こすからです。
でも、それを知らずに、心理のワナにハマって失敗してしまう初心者が数多くいます。

私も昔、心理のワナにハマり苦しみました。
プロフィールは以下のとおり。

この記事では、『失敗を回避する投資の心理法則のまとめ』『心理のワナを回避する3つの方法』を、私の体験を交えて解説します。

お読みいただくと、投資家として必要な『一生ものの知識』を得ることが可能です。

記事の結論

  • 投資での自爆を減らすには、まず心理法則(本能的なワナ)を知ることが必須
  • ①投資手法選び ②ルールを毎日読む ③値動きを見ないの3つで、ワナを回避可能

流し読みでも充分です。最後までご覧ください。
また、全てを読むのが面倒な場合は、興味のある法則だけご覧いただく感じでどうぞ!

投資をするのに心理法則を知る必要がある理由

なぜ、投資をするのに心理法則を知る必要があるのか?

※前提となる知識の紹介は不要。さっそく本題に入りたい方は、こちらをクリックして移動してください。

投資に心理法則を知る必要がある理由は、知らないと自爆のワナが増えるから。

ここでいう自爆とは、分かっちゃいるけど繰り返してしまうクセみたいな行動です。

例えば、『ジャンピング高値掴み、チキン利食い、塩漬け、無茶な一点張り』など。

要するに、投資でありがちな失敗を避けるには、人間の心理法則を知ることが必須ということです。

心理法則は人類がサバイバルで身につけた本能

心理法則は人類がサバイバル生活で身につけた本能

700万~600万年前に生まれた人類ですが、農業を始めたのはわずか1万年前。言い換えると、その歴史の大半が、明日は死ぬかもしれないサバイバル生活でした。

私たちの心理法則(そこから生まれる行動パターン)は、上記のサバイバル生活で身につけてきた本能のようなものです。

上記のように考えるのが、現代科学の主流となっています。

歴史・文化時間、進化時間のそれぞれで、当該の“バイアス”、つまりランダムではない行動パターン(=くせ)がどのような意味で個体の生存に役立つか(役立ったか)、その機能を考えるべきだ

論文『行動科学の視点から見た行動経済学』亀田 達也(東京大学大学院教授)

つまり、『本能=心理法則』は、過去の私たちが生き残るために必須の能力だったわけです。

今では、この本能が足かせになっている

私達が過去に身に付けた本能の大半は、現代社会で投資を行う際、ぶっちゃけ邪魔になります。なぜなら、投資は高度化された情報戦だからです。

サバイバル時代だと『負けの確定=死』を意味しました。だから私たちは、本能的に負けの確定を先伸ばしにします。一方、投資では損切りが超重要です。

上記のように、私達の本能と投資での重要事項は、矛盾しているケースが多いです。

だからこそ、まずは自分が『どんな本能=心理法則を持っているのか?』を知りましょう。
そうしないと永遠に振り回されることになります。

そして、徐々に対処法を身につけていきましょう。

【本題】失敗を劇的に回避する投資の心理法則9選

失敗を劇的に回避する投資の心理法則9選

前置きは以上にして、本題に入ります。
重要な心理法則のまとめると次のとおり。

  1. とにかく損したくないし、損を認めたくない【損失回避性】
  2. 勝っていると安定志向、負けているとリスク志向【ブレークイーブン効果】
  3. あれだけやったのに、今さらもったいない【サンクコストバイアス】
  4. 利益や損失が大きくなるほど、喜びや痛みが小さくなる【感応度逓減】
  5. 保有している銘柄が上がりそうな情報だけを集める【確証バイアス】
  6. 過去の高値や安値にとらわれる【アンカリング効果】
  7. 上昇が数日続いた→そろそろ下落すると考える【ギャンブラーの誤謬】
  8. あの人の推し銘柄だから確実と妄想する【ミルグラム効果】
  9. 取り残される恐怖から高値掴みをしてしまう【バンドワゴン効果】

それぞれを深堀りします。

とにかく損したくないし、損を認めたくない【損失回避性】

これは、プロスペクト理論のうち、損失回避性(そんしつかいひせい)と呼ばれる心理法則の結果です。

プロスペクト理論

経済学と認知科学を統合した行動経済学における最も代表的な理論。不確実な状況で人間がどのように意思決定を行うかのモデルである。
行動経済学者ダニエル・カーネマン氏と心理学者エイモス・トベルスキーの共同研究によって展開された。

この損失回避性により、例えば以下のような行動が生まれます。

  • 損を取り戻そうとして無茶な勝負に出る
  • 損切りせずにナンピンを続ける→塩漬け

損を取り戻そうとして無茶な勝負・・・。
実は、過去の私も何度も失敗しました。

損失のインパクトは利益の2.25倍!

実は私達は、全く同じ金額であっても、損をした場合は得をした場合の約2.25倍のインパクトを感じるとのこと。
※プロスペクト理論の価値関数より

別の言い方をすると、人間の本能は次の2つをほぼ同価値とみなすということです。

  • 225万円の利益を得る
  • 100万円の損失を避ける

つまり繰り返しになりますが、人間は『利益よりも損失の回避のほうが価値づけが大きい=損失回避性』という本能を持っています。

覚えておきましょう。

勝っていると安定志向、負けているとリスク志向【ブレークイーブン効果】

もうちょい深掘りすると、負けている際に『プラマイゼロに戻せるかも』と感じた瞬間、極端にリスクを取り始めるという特性。

これをブレークイーブン効果と言い、先ほどの損失回避性の延長上にある法則です。

行動経済学者のリチャード・セイラー教授が実験によって、実証を深めたものになります。

上記から、当たり前かもしれませんが『取り戻せるかも』と思った時ほど、一歩引いて考えることが大切ということが分かりますね。

あれだけやったのに、今さらもったいない【サンクコストバイアス】

これは、サンクコストバイアス(別名コンコルド効果)という有名な心理法則ですね。

上記により、例えば次のような考えが生まれます。

  • めっちゃ分析した銘柄なんだから、今さら損切りできない
  • あれだけナンピンしたんだから、塩漬けにしておくしかない

合理的に考えれば、ここから未来で下がる確率の方が高ければ損切りすべきなことは明白。

でも『分かっちゃいるけど、やめられない』からこそ、心理法則と言われるわけです。

上記への対策は、とにかくここから未来をゼロベースで考えるクセ付けしか無いかもしれません。

利益や損失が大きくなるほど、喜びや痛みが小さくなる【感応度逓減】

プロスペクト理論の感応度逓減(かんのうどていげんせい)と呼ばれる法則です。

利益や損失と同様に、時間が経てば経つほど価値や痛みの感じ方が小さくなるという特徴もあります。

要するに、人間は喜びや痛みがだんだん麻痺していくということです。

この法則による行動の例は下記のとおり。

  • 勝った喜びをもっと味わいたいと余裕資金以上を突っ込む
  • 保有銘柄がどんどん下がり続けても放置して塩漬けにする
  • 資金を溶かしても『別に、再入金すれば良いや』と考える

『余裕資金以上を突っ込む』『放置して塩漬けにする』あたりは、私も耳が痛いです。

次の2グループのうち苛立ちが大きかったのは?【騒音実験】

  • 5分間、騒音を聞かせたグループ
  • 40分間、騒音を聞かせたグループ

なんと、5分間騒音を聞かせたグループの方が苛立ちが大きかったんですね。

上記はカリフォルニア大学とニューヨーク大学の教授による実験です。
※行動経済学者ダン・アリエリー氏の著書より

この実験結果からも、人間は痛みにだんだん慣れて麻痺していくことが分かります。

保有している銘柄が上がりそうな情報だけを集める【確証バイアス】

これもありがち。確証バイアスと呼ばれる心理法則です。

つまり、自分に都合の良い情報だけ集め、都合の悪いものは無視するということですね。

結果、例えば以下のような行動に出てしまいます。

  • この銘柄は絶対上がると妄想する
  • 分散せず、1銘柄に大金を突っ込む
  • ピークを超えても利益確定できない

全て昔の私も経験済み。けっこう痛い目にもあいました。

売った(買わなかった)銘柄が下がる情報だけを集める場合も

もちろん、この確証バイアスは上がるのみでなく、下がる情報のみを集める方向に働く場合もあります。いわば、負け惜しみに近い感じです。

理由は『自分に都合の良い情報だけ集め、都合の悪いものは無視』という本能だから。

この場合だと、チャンスを逃してしまう可能性が高まってしまいます。

この確証バイアスにおちいっている時は、心のどこかでモヤモヤを感じているはずです。

このモヤモヤの正体は、たいてい認知的不協和(にんちてきふきょうわ)と呼ばれるものになります。

認知的不協和

人間が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感のこと。
例えば『仮想通貨には投資すべきでない』という認知を持ちつつ、『現状、仮想通貨が急上昇している』という認知を抱えるなど。

アメリカの心理学者レオン・フェスティンガー氏によって提唱された。

確かに認知的不協和があると、モヤモヤするし嫌な不快感を覚えます。

ですが、このモヤモヤから逃げずに事実を直視して反省することが、確証バイアスを制するためには必要です。おさえておきましょう

過去の高値や安値にとらわれる【アンカリング効果】

これは、アンカリング効果と呼ばれる心理法則が原因。参照点依存性(さんしょうてんいぞんせい)とも言われます。

アンカリング効果の例として、次のようなものが挙げられます。

  • 以前に見た時2,000円だった銘柄が500円になっていた
    →安すぎ!と感じて、今すぐ買いたくなる
  • 以前に見た時125円だった銘柄が、500円になっていた
    →上がりすぎ!と感じ、空売りしたくなる

いわゆる『高値覚え・安値覚え』というやつでして、初心者がひっかりやすいワナです。

でも実は、上記ってかなり危険な行為。『鬼下げてる時に買う・鬼上げてる時に売る』は、トレンドに逆らった逆張りであり、上級者向けの手法だからです。

この点、合理的に考えれば、ここから未来において上がるのか?下がるのか?のみを分析すべきでしょう。当たり前ですが、私たちは過去に投資するわけでは無いためです。

上昇が数日続いた→そろそろ下落すると考える

こちらはギャンブラーの誤謬(ごびゅう)と呼ばれる心理現象。
確率に対する間違った認識となります。

表と裏、次に出る確率が高いのはどちらか?

コインを10回投げるとして、今のところ結果は以下の状況でした。

次に出る確率が高いのは、表と裏のうちどっちか?

イカサマとか無い限り、当たり前ですが確率は半々、どちらが高いとも言えません。

ですが、この落ち着いて考えてみれば当たり前の確率論を、私たちは投資となると忘れてしまいます。

なので、『そろそろ上昇(下落)』と感じた場合は、ひと呼吸してコイン投げの確率のことを思い出すのが吉です。

あの人の推し銘柄だから確実と妄想する【ミルグラム効果】

上記は、たいていミルグラム効果と呼ばれる心理法則が働いた結果によるものです。

ミルグラム効果
権威者や専門家の言う事を無条件に信じ込んでしまうという心理特性。アメリカのイェール大学の心理学者、スタンレー・ミルグラム氏の名前が由来。

例えば、下記のような感じ。

  • 有名なインフルエンサーが買った銘柄に自分も乗る
  • 雑誌で投資アナリストが言及していたものに投じる
  • 尊敬している先輩が始めた投資に、自分も乗っかる

ここで問題となるのは、次の2つを誘発しやすい点です。

  • 自分で調査や分析をせずに投じる
  • 1銘柄に余裕資金以上を突っ込む

上記2つをやってしまうと、ラッキーパンチはあるかもですが、たいてい痛い目に合ってしまいますね。

もちろん、権威者や専門家の意見や行動を参考にすること自体には害はありません。むしろ、有益な場合も多いでしょう。

ただし、自分でも調べて資金管理をしっかり行うことが必須であることを忘れずにお願いします。

取り残される恐怖から高値掴みをしてしまう

上記の行動は、『流行に乗り遅れることが怖い』と感じる心理から生み出されがちなもの。特にこの心理自体には法則名は付いていません。

一方、この心理から高値掴みなどが起きやすいという現象には『バンドワゴン効果』という名が付けられています。

バンドワゴン効果
ある選択を支持する人が多数存在すると、その選択の支持率がより強くなる現象。例えば株価が一旦上がると、それがさらに買いを呼んで、より上昇していく現象。

以下は、ハンドワゴン効果を生み出す投資における典型的な行動です。

  • 急騰しているのを見て、乗り遅れまいと慌てて買う
  • SNSで儲けた話題を良く目にする銘柄に投じ始める
  • 雑誌の人気銘柄ランキングで上位なこと理由に買う

実は、このハンドワゴン効果、一概に悪いものとは言えません。
なぜなら、上昇したものが、より上昇していくチャンスでもあるからです。

ただし、最速で買って短く利益確定ができればの話になります。

最速で動けないと、ただの高値掴みになって振り落とされることが多い。ハンドワゴン効果は大抵の場合、短期的なものであるためです。

なので、秒速で行動できない場合は、皆が振り落とされるのを待ってから買った方が吉。
もう本当に『待つのも相場』という言葉を過去の自分に伝えてやりたい!想いです。

以上、投資に必須となる心理法則のまとめでした。
ここからは、これらの心理法則を回避する方法を解説していきます。

心理法則のワナを回避する3つの方法【実証済み】

心理法則のワナを回避する3つの方法【実証済み】

下記の3つです。

  • そもそも心理法則に触れにくい投資手法を選ぶ
  • ハマる度にルールを作り、そのルールを毎日読む
  • 仕込んで出口を決めた後は、極力値動きを見ない

各々を解説していきます。

そもそも心理法則に触れにくい投資手法を選ぶ

結論、ドルコスト平均法による積み立て投資なら、心理法則のワナにハマりにくい状況を作れます。

理由は、一度仕込めば機械的・自動的であり、放置でOKだからです。

ドル・コスト平均法
複数回に分けて、定期的に毎回同じ金額分を機械的に買う手法。

例えば、アメリカのS&P500インデックスに連動した投資信託を、つみたてNISAで毎月自動購入するなど。

上記については、こちらの記事で詳しく解説しています。

参考記事

そろそろ ”つみたてNISA”を始めようと思うとは言え、どの銘柄が良いのか?分からないなので、初心者向けのおすすめ銘柄を教えて 税金が20年間かからないことが魅力[…]

投資信託イメージ

投資資金のすべてをドルコスト平均にする必要は無いと思います。私の場合、ポートフォリオの一部に組み込む感じで積み立てています。

ハマる度にルールを作り、そのルールを毎日読む

なぜなら反復が習慣を生み、習慣になれば無意識でできるようになるためです。

とにかく反復して、脳の無意識領域に叩き込む感じですね。

ルールの例としては、『エントリー時に必ず損切り注文も入れる』とか、『市場が弱い時こそ買う』など。

痛い思いをしたら、次からの対策としてルールを作って、それを毎日見るようにします。必要に応じてルールは改善していきます。
※私はスマホのメモ帳にルールを書いて、通勤中に見ることを日課にしました。

もちろん人によると思いますが、上記を1年くらい続けると自然とルールが身についてきます。

仕込んで出口を決めた後は、極力値動きを見ない

値動きを見なければ心が揺さぶられないから。シンプルですね。
これは短期トレード・中長期投資を問わず同様となります。

出口は手法や戦略によって大きく変わってきます。例えば以下のような感じです。

  • 短期トレードなら、明確に決めた損切りと利確ライン
  • 株の中期投資なら、次の決算直前までは引っ張るなど
  • 長期投資の場合は15年間は損切りも利確もしないなど

上記のとおり。自分で出口を決めたら、あとは放置して待つようにします。

もちろん『どうしても値動きが気になる』という気持ちは分かります。昔の私もそうだったからです。

でも出口が決まっていれば、そもそも、日々値動きを見る必要は無いはずです。

思えば、過去の私も心理法則のワナにハマっていた時期は、値動きを見すぎていました。ホント1時間に一度はチャートを見るぐらいに。

でも、エントリーする際に出口を明確に決め、あとは放置するようにしたら、自爆が劇的に減りました。

なので、心を揺さぶられないためにも、仕込んで出口を決めた後は、極力値動きを見ないようにしましょう。

まとめ:心理法則をおさえつつ行動を開始しましょう

こんな感じで今回は、投資でハマりがちな心理法則および、そのワナを回避する方法を紹介しました。

要点は下記のとおりです。

  • 自爆を減らすため、まずは心理法則を知っておく
  • 心理法則のワナを回避するには、次の3つが重要
  • ①投資手法選び ②ルールを毎日読む ③値動きを見ない

ぜひ、ご参考ください。

最後に、知識を得たら行動に移しましょうという話

当たり前ですが、いくらネット上の情報を読んでも、行動しないと絶対に人生は変わらないです。

すでに投資経験が充分な方は、日々の投資に今回の内容を取り入れていただければと思います。

一方、まだ初心者だったり、これからお金持ちを目指そうという方。ぜひ、こちらの記事も、あわせてお読みください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
厳しいようですが、行動につながらない情報収益は、ただの暇つぶしです。こちらの記事をご参考いただきつつ、ぜひ行動に移してください。
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